第9回フェリシモ クチュリエ大賞/受賞作品発表
受賞作品発表展示会がスタートした、『第9回フェリシモ クチュリエ大賞』。各受賞作品と、展示会で展示されている優秀作品の詳細をお届けします。
賞典、「作品名」、作者のおなまえ、(ご出身)、審査の【講評】、作者のコメント【作品に込めた想い】と作り方や工夫した部分など作品に関しての解説の順にご紹介します。
●クチュリエ大賞
「大空に広がる未来」 阿部 久見子さま (神奈川県)
(画像をクリックすると大きな写真が見られます)
【講評】
それぞれのパーツが細部にわたり工夫があり、見ていて飽きないです。『ものづくりへの愛情』『素材を活かしきる』という形容がピッタリの作品。
そしておふたりの娘さんたちの素敵な未来への願いが込められた作品です。
【作品に込めた想い】
我が家の娘たちは中3と6年生、節目の年になりました。子ども部屋でお人形遊びをしていたときも、今は遠い日々……。それぞれが自分の夢を持ち未来を描くようになりました。そんな娘たちが未来へ向かって旅立つために、将来の夢に関わるモチーフを入れるためのウォールポケットです。
忘れてほしくない子どものころの“思い出の品”を入れるポケットもひとつ加え、「ふたりの素敵な未来にはきれいな虹が掛かりますように」と母の願いをこめて制作しました。
いつか家を出て自分の道を歩き始めるときに、”幸運のお守り”(Porte bonheur)として渡してあげられたらと思っています。
■作り方や工夫した部分など作品に関しての解説
ウォールポケットではあるけれど、壁に掛けた時に“絵”のような雰囲気が楽しめるように布と糸を綴って風景を描く感覚で制作しました。
課題の土台布(キャンバス地)をベースに、キルト綿を挟み空色の生地でつくった雲型ポケットを配置、ポケットをずらしながら重ねることで限られたスペースに深さもあってより多くのポケットを設置できました。
作品下部の“子ども部屋ポケット”の設置は、直付けではなくボタン着脱可能にし、周りのポケットと差別化しました。
壁に掛けるための取っ手はアーチ状にカットしたグレー台紙を重ね貼りし、7色のビーズで虹を表現。取っ手も風景の一部になっています。
細かい作業が多く制作日数が掛かりましたが、娘たちが毎日「今日はどこまでできたの?」と楽しみにしてくれたので、たいへん励みになりました。
私が何よりも“作ることを楽しんでいる”ということがふたりの娘たちに伝わればうれしいです。
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●ビーズ・トゥーさん賞
「みらいのちきゅうポケット」 仁後 尚子さま (神奈川県)
【講評】
手をつないでいるこどもたちひとりひとりの民俗衣装が素敵にかわいくデザインされ、刺しゅうで表現されていて、とても楽しいウォールポケット。
全世界の分が見たい!と思う作品です。
【作品に込めた想い】
地球に見立てたポケットの中に、何を残していこうか?何を詰め込もうか?世界中の子どもたちが集まって、相談をしているような、作品にしました。
環境問題や動物たちの絶滅や、食料不足や、水不足、心のゆとり等未来の子どもたちのために、何を残していけるのか?私達が選択していく事が大切だと思います。すばらしい地球の恵みを、今の、そしてこれからの子どもたちにつなげていけるように、考えていきたいです。
世界中の人々が、このモチーフのように手に手をとりあって、未来に地球を、守って行けたら、すばらしいと思っています。
私たちの地球を私たちの手で守っていきたいです。
■作り方や工夫した部分など作品に関しての解説
ポケットの布地に、地球の刺しゅうをカットワークで仕上げました。
ポケットに詰め込もうとしている動物や植物等のモチーフはスタンプワークで立体的に飛び出しているように見せました。ポケットには、実際に入れることもできます。その周りを囲む、世界中の子どもたちはそれぞれの国の民族衣装を身につけて、伝統的な文化を残していきたいという思いも込めて、かわいらしく再現してみました。改めて、それぞれの国の文化の個性が衣装の中に生きていて、色使いもデザインもすばらしいと思いました。
手をつないで、地球を囲んでいるデザインは、和を大事にしたいという思いも込めました。すべてが円でつながっているというメッセージです。
壁掛けのアームの部分は白いハリガネでearthの字を型どり、tの部分の横線はスタンプワークの刺しゅうで、チョウチョウで表しました。
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